2018/11/16 21:00
一見簡単そうな婚姻届の記入ですが、書き始めてみるといろんな疑問・質問が湧いてきます。
その中でも特に多いのが、婚姻届の証人に関する疑問・質問です。
そこで、今回は、『あなたは知ってた?婚姻届の証人に関するよくある質問』をご紹介します。
目次
- そもそも、なぜ婚姻届には証人が必要なのですか?
- 婚姻届の証人に条件・制限はあるのですか?
- 婚姻届の証人に何らかの責任は発生することはありますか?
- 両親や祖父母、兄弟姉妹でも婚姻届の証人になれるのですか?
- 外国人でも婚姻届の証人になれるのですか?
- 証人になっていただいた方に市役所から確認の電話が行くことはありますか?
- 婚姻届の証人になっていただくにあたっての注意点はありますか?
- 他のカップルさんは誰に婚姻届の証人を頼んだのでしょうか?
- 最後に
そもそも、なぜ婚姻届には証人が必要なのですか?
婚姻届に証人が必要な理由は、とても簡単です。ズバリ!『民法に規定されているから』です。
民法には、
第739条 1項 婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2項 前項の届出が、当事者双方及び成年の証人二人以上から、口頭又は署名した書面で、これをしなければならない。
とあるため、婚姻届には証人が必要なのです。
民法には、婚姻届の証人が二人以上必要な理由は説明されていないので、正確な理由はわかりませんが、婚姻届に証人が二人以上必要となれば、
1.他方に婚姻する意思がないのに無断で婚姻届を作成・提出する行為
2.外国人に日本国籍を取得させるためだけの偽装結婚
などを未然に防ぐ効果が期待できるので、婚姻届には二人以上の証人が必要であると考えられていています。
民法上は、『口頭』でも証人になることができますが、文字が書けないなどの特別な事情がある場合にのみ、例外的に認められているだけです。
婚姻届の証人に条件・制限はあるのですか?
成年者(20歳以上)であれば、新郎新婦様を除いて、どなたでも婚姻届の証人になることができます。
その他の制限は特にありません。
婚姻届の証人に何らかの責任は発生することはありますか?
婚姻届の証人になったことを理由に、何らかの法的な責任が発生することはありません。
例えば、あなたが婚姻届の証人になった夫婦が、結婚してすぐに離婚することになったとしても、罰金などを課されることは一切ありません。
婚姻届の『証人』と、借金などで耳にする『保証人』とは全くの別物です。
ただ、婚姻届の証人という響きが、借金などで耳にする保証人のようで、婚姻届の証人になることをあまり快く思わない方もいらっしゃいますので、証人になっていただく方には、その旨をしっかり説明してあげてください。
※偽装結婚をするために婚姻届を記入していることを知りながら、婚姻届の証人になった場合は、何らかの罪に問われるかもしれません。
両親や祖父母、兄弟姉妹でも婚姻届の証人になれるのですか?
両親や祖父母、兄弟姉妹などの近しい親族であっても、成年者(20歳以上)であれば、婚姻届の証人になることができます。
むしろ、多くの新郎新婦様が(義)両親や(義)祖父母に証人になっていただいているようです。
外国人でも婚姻届の証人になれるのですか?
外国人であっても、成年者であれば婚姻届の証人になることができます。
ただし、外国人が成年者であるかどうかは、その国の法律によることになっています。
日本では、20歳以上が成年者ですが、18歳以上を成年者とする国もあれば、21歳以上を成年者とする国もあるようです。
証人になっていただく外国人が、日本国内に住所をお持ちなら、婚姻届の住所の欄には、そこの住所を記入していただきます。
もし、その方が海外に住所をお持ちなら、婚姻届の住所の欄には、そこの住所を記入していただきます。(英語でもOKです。)
また、外国籍の方には本籍がありませんので、婚姻届の本籍の欄には、その方の国籍を記入していただきます。
証人になっていただく外国人が、印鑑をお持ちでなければ、拇印もしくは無印でかまいません。
外国人に証人になっていただく場合は、市区町村役場の窓口担当者によっては、婚姻届の受理に手間取ることもあるので、予め市区町村役場に電話を入れることをオススメします。
証人になっていただいた方に市役所から確認の電話が行くことはありますか?
証人になっていただいた方に市区町村役場から、証人になったことの確認をする電話をすることはありません。
だからと言って、テキトーな人物の名前を勝手に書く行為は犯罪ですので絶対にNGです。
婚姻届の証人になっていただくにあたっての注意点はありますか?
当たり前ですが、ボールペンか万年筆を使って、正確な情報を読むことのできるはっきりとした文字で記入していただかなければいけません。
”消せるボールペン”や鉛筆・シャープペンシル等の使用は認められていません。
次に、新郎様または新婦様と同じ苗字の方(両親・祖父母など)に証人になっていただく場合や、証人同士が同じ苗字の方(友人夫婦など)に証人になっていただく場合に、同じ苗字であるからと言って、全く同じ印鑑を使いまわすことはできませんので注意が必要です。
例えば、新郎と証人のうち一人が同じ苗字だからといって、新郎の署名・押印欄にも、証人の署名・押印欄にも全く同じ印鑑で押印してしまうと、市区町村役場に提出しようとしても受理してもらえなくなります。
また、シャチハタ・スタンプ印の使用は認められていませんが、必ずしも実印を使用する必要はないので、100円均一の印鑑でも法律上は問題ありません。(気持ち的には問題あるかもしれませんが…)
証人になっていただくには、その方の『氏名』や『生年月日』、『住所』、『本籍』を正確に知る必要がありますが、多くの方はご自身の『本籍』を正確に把握していないので注意が必要です。
正確な本籍を調べるには、本籍を調べたい方の『戸籍謄本』か『本籍地記載の住民票』を取得する必要があり、300円~500円程度の発行手数料と市区町村役場に出向く手間がかかります。
戸籍謄本も本籍地記載の住民票も、基本的には、本籍を調べたい方本人が市区町村役場に出向いてもらう必要があります。
※代理人や郵送でも取得する方法があります。詳細は、各市区町村役場までお問い合わせください。
他のカップルさんは誰に婚姻届の証人を頼んだのでしょうか?
統計データがあるわけではないので、正確なことはわかりませんが、私の周りでは、圧倒的に『(義)両親』や『(義)祖父母』が多かったです。
その他、キューピッド役を務めてくれた仲人さんやご友人にお願いした方や、社内恋愛の場合では、会社の上司にお願いしたという方もいらっしゃいました。
中には、証人になっていただけそうな方がいなかったので、市役所の職員さんにお願いしたという方もいらっしゃいました。
最後に
いかがでしたか?参考になりましたでしょうか?
ご親族に婚姻届の証人をお願いする場合は不要かもしれませんが、仲人さんやご友人、会社の上司などに婚姻届の証人をお願いした場合は、証人になっていただいたお礼として、ちょっとしたお菓子をお渡しするとよいかもしれません。
特に、本籍を調べる手間をかけてしまった方には、お忘れなきように……
おしゃれで可愛いオリジナル婚姻届(デザイン婚姻届)専門のネットショップ『婚姻届工房KUKURI』の若山でした。